控除額の計算1

総支給額の計算が終わったら、今度は控除額を計算します。ここでは、まず控除額の計算の概要についてまとめています。

おぐろ製菓店の給与計算も、総支給額の計算が終了し、次は控除額の計算を行っていきます。
ところで朋子さん、給与からどんなものが控除されているか、わかりますか?

朋子「給与明細書を見ると、健康保険料とか厚生年金保険料とかいろいろ書いてあるけど・・・。良くわかりません。」

なるほど。
朋子さんは、はじめて給与計算をするのですから、仕方ないですね。
では、まず控除額の計算について簡単にまとめておきましょう。


保険料や税金など、給与から控除するものにはいくつかありますが、大きく分けると2種類あります。
法定控除協定控除です。
給与は原則としてその全額を支払わなければならない、という原則がありますが、 この法定控除と協定控除については例外として給与から差し引くことが認められています。
それぞれについて詳しく見てみましょう。

1.法定控除

法定控除とは、法律によって給与から控除されることがあらかじめ認められている控除です。
主なものとして、次の6種類があります。

健康保険料 健康保険料の従業員負担分を給与から控除します。
介護保険料 介護保険料の従業員負担分を給与から控除します。
厚生年金保険料 厚生年金保険料の従業員負担分を給与から控除します。
雇用保険料 雇用保険料の従業員負担分を給与から控除します。
所得税 源泉徴収制度に基づき給与額に応じて所得税を控除します。
住民税 あらかじめ通知された従業員の住民税を控除します。


これらは法律によって定められていますので、市販の給与明細書には、あらかじめこれらの項目が印刷されていることが多いです。
このうち、介護保険料は、健康保険料と一緒に徴収して良いことになっています。

なお、一般的には、健康保険、介護保険、厚生年金のことを、あわせて「社会保険」と呼びますので、健康保険料、介護保険料、 厚生年金保険料の3種類のことを、「社会保険料」と言うことがあります。
(ただし、ちょっと専門的に言いますと、この場合は「狭義の社会保険」「狭義の社会保険料」というのがより正確だと思いますが。)
このあたりは言葉の問題ですが、常識として憶えておきますと、何かと話がスムースになります。

法定控除については、これから実際に控除額の計算をやってみます。

2.協定控除

「おいおい、オレの給与からは法律に定められている以外のものが控除されているぞ!」と思ったあなた。
「あれ?うちの給与計算では法律に定められている以外のものが控除されてる!」と思った事務員さん。
それが協定控除です。

良く見受けられる協定控除の項目としては、旅行積立、親睦会会費、労働組合費、社宅使用料、生命保険料、端数預金、 会社が貸したお金の返済金などがあります。

法律には定められていなくても、会社が従業員の代表と書面による労使協定を結ぶことによって、 こうした項目について給与から控除を行うことができるのです。

ところで、従業員の代表とは誰のことを指すのでしょうか?
(1)会社の従業員の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合
(2)従業員の過半数で組織する労働組合がない場合には、従業員の過半数を代表する者

です。
過半数で組織する労働組合があれば話は簡単なのですが、ない場合はちょっとムツカシイです。
「従業員の過半数を代表する者」が誰なのか、従業員同士で決めてもらわないといけません。
選挙をやるとか、挙手で決めるとか、あるいは話し合いで決めるとか、とにかく民主的な方法によって従業員の過半数を代表する者を決定します。
この場合、「従業員の過半数を代表する者」は、管理・監督をする立場の者ではいけません。
一般の従業員の中から選出します。

中小企業の中には、こうした労使協定を行わず、勝手に控除を行っている例が見受けられますが、違法です。
ご注意ください。



朋子「なるほど。いろいろあるのね。だいたいわかったわ。今までの給与台帳を見ると、うちの会社の場合は協定控除はないみたいだから、法定控除だけやればいいのね。」

ちょっと待ってください。
毎月、旅行積立を控除しているでしょう?
これは立派な協定控除ですよ。
朋子「あ、そうか。忘れてた。」
気をつけましょう。
ではこれから実際に計算をやってみましょう。

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2005年09月06日 00:16

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